前回までは和瓦のアレコレをご紹介してきました。
前回は「F形瓦の部材と印象の違い」をご紹介しましたね。 KAWALIFE Tsuruya's blog https://kawalife-tsuruya.blogspot.com/2022/04/fgatayakumono.html 屋根を知る~部材によって印象...
前回は「J形瓦」部位ごとの役物(部材)についてご紹介しましたね。 KAWALIFE Tsuruya's blog https://kawalife-tsuruya.blogspot.com/2022/07/Jyak...
今日はマニアックに進めます!!!
個人的に名前が大好きなので取り上げる内容です!!
なんのためにあるのか?とか、いろんな意匠があるなーって、
ちょっと興味をそそる内容だと思います!
題して!『風切丸(かぜきりまる)』
こんな感じで進めていきます。
風切丸
- そもそも風切丸って、なに?!
- 風切丸を構成している瓦
- 風切丸は何のためにあるの?!
- 素敵な風切丸集
そもそも風切丸って、なに?!
かぜきりまるって読みます。
切妻屋根のケラバ(袖部分)付近に、軒から棟にかけて列で入っているポコッとした瓦屋根の部位を指します。
※写真の物件の➡部分ですね
風切丸を構成している瓦
基本的には棟を構成する部材と同じく、のしとか素丸といったものが使われます。
(瓦に関しては7/28のブログ内で紹介しています♪)
前回は「F形瓦の部材と印象の違い」をご紹介しましたね。 KAWALIFE Tsuruya's blog https://kawalife-tsuruya.blogspot.com/2022/04/fgatayakumono.html 屋根を知る~部材によって印象...
ですが、専用の部材でなくとも色々なデザインがあり面白いですよ!
この先④素敵な風切丸集 にてご紹介します。
風切丸は何のためにあるの?!
風切丸の機能としてはいくつかありまして・・・
1.意匠的なもの ズバリですね。単調になりやすい切妻屋根を、デコラティブにしたためる。
ちなみに、下が有り・無しを比較したものです。
2.割を合わすため 平板瓦などではケラバと縁が切れるので特に問題ないのですが、
和瓦は袖瓦とも一体(縁が切れない)のため、瓦の幅調整のために一役買っています。
※ここら辺はおいおいブログで紹介しますね
3.風の力を切るため
屋根の外周部って、巻き上げるような力がほかの部位よりも強くかかります。
※外周部、など、風に関するブログもオイオイやります。
上のイラストで濃い色になっているところが外周部にあたり、
ケラバ部も該当しているのがわかるかと思います。
そこを風切丸を据えることで風で巻き上がりそうな瓦を押さえつける役割を持ちます。
ちなみに、今ではあまり風切丸を見なくなったのは、
防災瓦の普及により風切丸を使わなくても風に耐えられる強度を持ったからでしょうか?
素敵な風切丸集
前段が長くなってしまいましたが、ここから実例をご紹介していきます。
まずはコテコテ系
のしをしっかり積んで、
正面には鬼を据えて ザ・和の風切丸ですね。かっこいい!
続いて、こちらもなかなか迫力のある和の屋根です。
が風切丸自体はスッキリ、シュっとしていますね。
紐のない素丸を使用し、軒まで通さず屋根の途中で半月巴を使い仕上げた風切丸&しっかりと軒まで通した風切丸との組み合わせでなんともスタイリッシュですね!
ちなみに先ほどの物件とは違い、2本入っているのもポイントですね。
こちらもかっこいい!
こちらはなんともシンプルモダンな和ですね。
先ほど同様、軒まで通さず屋根の途中で半月巴を使い仕上げた風切丸です。
ザ・風切丸案件ですね。かっこいい!
こちらは軒まで通したタイプですね。
途中で止めるタイプとはまた違った良さがありますね。
風切丸まとめ
◆風切丸と一言で言ってもすっきりからこってりまで!
◆一味違う外観アレンジとして風切丸はいかがでしょうか