瓦の強さは何故?!

2023年7月10日月曜日

瓦のこと

t f B! P L
どうもこんにちは。毎日暑い日が続きます。

実は今年の年初(2023年1月)に60年保証を開始しました。
それに伴って?!私なりに調べた結果を『なぜ瓦は強いのか?! としてお届けします。
※注意※ちょっぴり(というかだいぶ)非公式な内容になります。
ただ、まじめに書きますので、読んでいただき、皆さんにも本当か嘘か調べてみたり、こんな文献があるよとか教えてください。


瓦は強いのだ!
まずは論より証拠!!築年数が深い、築古物件を見てみよう。

 【証拠①】1,400年経った今でも現役の瓦


奈良県にある世界遺産「ならまち」の元興寺です。実際に1,400年前の創建当時の瓦が今もなお現役として屋根に乗っています。


鬼舞辻無惨様並みに長生きですね。



なんか1,400年といわれると現実離れしているので・・・

【証拠②】築50年の物件

普通の一軒家です。築50年程度ということでお写真を撮らせてもらいました。
現役で屋根として家・家族を守っています。


【証拠③】16,500歳?!同じ焼き物「土器」
青森県大平山元遺跡から出土したものは世界最古、約16,500年前の土器といわれているようです。
いきなり瓦とは違うものを出してスミマセン。ただ、粘土を一つのまとまりに形づくり、焼いたもの『焼き物』という意味では同じものかなと・・・。そんだけ年数がたっても朽ち果てずに出土されるって、単純にすごいですよね!
当時、焼き物は食料の保管や煮炊きのために作られたと考えられています。
ただ昔は焚火のように焼く、野焼きという焼き方で焼かれており、
現在のようにセンサーで温度管理され、1,130℃の高温で焼かれるものとは違い
未熟な製法・温度管理、半分ほどの温度で創られた焼き物でさえも
16,000年も永らえ、そのまま発掘されることを考えると
使用用途は違えど、焼き物は長期に渡り腐敗せず現存できることがわかりますね。


ということで、
10年、100年、1,000年さらには10,000年経っても
屋根としての機能が廃れないことを感じていただけたかと思います。


(余談)
他の屋根材と歴史の長さを比べてみた

屋根材の歴史の長さを今回のこの記事を作るにあたって調べたので、紹介します。

(生まれた年)
粘土瓦 … 西暦588年
化粧スレート … 西暦1904年(ノンアスベスト製品は2004年)
金属が屋根葺き材として使われ始める … 西暦120年(今主流のガルバリウム鋼板製品は1982年)
グラフにすると、こんな感じ。



長けりゃいいとは言いませんが、そんだけ昔から使われている実績、という意味では説得力ありますね。



続いて、非公式部分、論!!

 社内・社外問わずあらゆる方面に、瓦の強さ(60年保証)の裏付けとなる数値的根拠を調べましたが、結論から言うと、なかったです。大体が証拠で証明されつくされているので誰も深く調べない、といったところがオチの様です。

なので、ここからは非公式。勝手に瓦の強さをなんとなく論じます。


【論①】無機物100%でできている

無機物っていうとあまりなじみがないと思いますが・・・戸建て住宅には付き物の庭とかに置かれるレンガ、物干し竿などは無機物ですね。もうお分かりかと思いますが、「消えてなくならないもの」ですね。

実は瓦って基材の粘土の部分、着色している色の部分全部ひっくるめて無機物でできています。つまり、消えてなくなる部分が一つもないのです。それが強さの一つでしょうね。


【論②】焼結されている

物には表面積を小さくしようとする、物として働く自然な力が存在します。例えば表面張力とかがそのたぐいのものですが、その力を抑え込む(形を維持する)力として『焼結』があります。『焼結』には強さがあり、段階的に(強い)共有結合>イオン結合>金属結合>水素結合>ファンデルワールス力(弱い)となります。瓦は「共有結合」「イオン結合」により焼結されているので、瓦は強い、結合が強く、劣化しないことがわかりますね。


【論③】厚みがある

瓦の厚みは10~20mmです。これは他の屋根材に比べて2~60倍もの厚みになります。

消えてなくならないものが20mmもの分厚さで強力な結合されているって、何かよくわからないけど強そうですね笑


ということで、頑張ってまとめた感、伝わったと思います。
また、お分かりいただけたかと思いますが、簡単にスパッとわかるような数値的根拠がないので、皆さんには【証拠】だけ見てもらえばいいかと思います(´;ω;`)






でも・・・
そもそも、長持ちである必要があるのか?

ちなみにですが、日本における住宅の年数(取り壊されるまでの年数)って、ご存知でしょうか?

国交省によると平均30年のようです。減価償却の考え方からすると、20年で家の価値がなくなることにもなります。

そんななか、60年の保証なんて必要?!って、リリース当時感じたのが私の感想です。(もともと20年保証は存在いていたので)

実際に私もですが、新しいものがいい!生活にあった間取りにしたい!!新しいものの方が高性能でしょう?!最新の設備を導入したい!!!
などの意識が根強くあり、子供が巣立って生活が変わると建て替えする、が当たり前と感じます。
ただ、建て替える時に出る廃材、環境負荷などのSDGsの観点からすると良くない、ということはだれしも思うはずで、、、。

日本社会や政府が、簡単にイイものを長く・お得に使い続けられる仕組みづくりをしてくれると、瓦が見直されることもあるのでしょうか??
まぁ、瓦が衰退していったらその時はその時ですね。未来がどうなるのか、楽しみですね☆








まとめ
・1,400年経った今でも絶賛現役屋根の瓦がある♪

・同じ「焼き物」でくくれば16,500年のものが出土している!!

・実績だけでその強さが語れる、それがKA・WA・RAなのだ☆

自己紹介

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株式会社鶴弥 営業企画部の牧野です。 愛知県半田市に本社を構え、陶器瓦の製造・販売をしています。 家づくりのご参考になる屋根情報を掲載しています。

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