毎度どうもこんにちは!!!
まだまだ暑い日が続きますが、9月に入ると気になるのが台風のこと。
ということで、今日は
「台風でも瓦って大丈夫なの!?瓦の最新防災情報」 の内容でお届けします。
本文にも出てきますが、台風に備えることが地震にも通ずるので防災情報としています。
なかなか難しい内容なのですが、私なりにかみ砕いて皆様にわかりやすくお届けしまぁーす♪
なかなか難しい内容なのですが、私なりにかみ砕いて皆様にわかりやすくお届けしまぁーす♪
と、本題に入る前に・・・
2023年8月27日のNHK「明日をまもるナビ」で『台風の“風”による災害に備えよう!』という内容が放送されていて、その中で瓦は飛ばない!と衝撃映像がありましたのでNHK様ホームページから画像をお借りしてきました。
https://www.nhk.or.jp/ashitanavi/article/16026.html
瓦=安全!というのがよくわかる内容でした♪ありがとうございます。
あと、スーパートライ110発売当初のものなので画像荒いですが、
自社で試験したものもYOUTUBEにアップしていますので良ければご覧ください。
日本に続けて上陸した台風の影響により、「防災瓦」性能についてお問い合わせが多くございます。スーパートライ110防災瓦性能動画を配信いたします。「防災瓦」と「非防災瓦」の性能違いを分りやすくご紹介する動画となります。ぜひご覧下さい。
さて、では本題に参ります。まずはこちら!
災害のたびに進化した!瓦の防災ヒストリー
隣家の火事に巻き込まれないように、燃えにくい『瓦』を使おう!と、一般的に『瓦』が使われるようになったのが江戸時代。
そのころから土を塗ったうえに瓦を置く『土葺き工法』が主流※1でした。
その後、1978年の宮城県沖地震をきっかけに「屋根の重さに応じて、壁をしっかり作ってね」と、新耐震基準により壁量計算が必要とされるようになり、土を使わない『引っ掛け桟葺き工法』に移って変わっていきました。
今では1998年の台風5号(紀伊半島などを襲った大型の台風)がきっかけで誕生した瓦同士がかみ合う『防災瓦』が主流に。
とざっくりこんな感じです。
なお、最近では房総半島の台風がきっかけで2022年1月にガイドライン工法が義務化※2されたことも記憶に新しいかと思いますが、不幸中の幸いとでも言いましょうか、災害のたびに進化し、「台風でも飛ばない」「地震にも崩れない」強い瓦が生まれました。
※2 ザックリ言うと、平部は全部釘を打ってねってこと
建築基準法では屋根・瓦はどうなっているか?
「災害のたびに進化した!瓦の防災ヒストリー」でサラッと出しちゃいましたが、
ガイドライン工法が義務化したことで、試験で安全が実証されている方法で瓦を留めてね!とされました。
じゃぁ、試験ってどんなの?性能が実証されている瓦の留め付け方法って何?という点ですが・・・
試験ってどんなの?
瓦をめくりあげる、瓦を引っぺがそうとする方向の風の力に対して、どのぐらい耐えれるかを確認する方法として「2021年改訂版 瓦屋根標準設計・施工ガイドライン(監修:国土交通省国土技術政策総合研究所 他)」に耐風性能試験(通称 引張試験)として規定されています。
めくりあげる方向の力を、紐で引っ張ることで再現。機械制御され、瓦1枚1枚を必要な力で引っ張ります。
しかも強風は繰り返し起こることから、はたまた瓦は繰り返しの力で不具合が起こることがわかっていることからも150回も繰り返し繰り返し引っ張っています。
繰り返し引っ張って
●瓦の破損がないこと
●瓦が浮き上がってしまうことで、力がかけられなくなることがないこと
●引っ張った後の瓦が、もともとの位置にもどる(変位が50mm以下である)こと
が確認出来たら、その瓦は引っ張った力の分だけOKよ!とお墨付きがもらえるのです。
ちなみに鶴弥で言うと標準的に3,336N/㎡※3でお墨付きをもらっています。
だいたい2階建ての家であれば全国どこでも大丈夫!!って数値です。
※3 約340kg/㎡、瓦1枚あたり42kg程度の力です。
性能が実証されている瓦の留め付け方法って何?
全瓦連(全日本瓦工事業連盟)様より画像をお借りしましたが、
性能が実証されている瓦の留め付け方法がガイドラインに記されています。
基本的には
平部⇒瓦1枚に対して、釘1本で固定
軒部⇒耐風L釘1本と釘2本で固定
といった感じです。
あとは住んでいる市町村などによって細かく留め付け方法が規定されていたりするので詳細は瓦屋根標準設計・施工ガイドラインを見る必要があるのですが・・・
(なにせ有料の冊子なので、鶴弥の標準設計施工マニュアルをご参照いただければいいと思います。ガイドラインに沿った施工を推奨していますので。)
↓マニュアルはこちらから↓
J形瓦用施工要領書 一般社団法人全日本瓦工事業連盟が発行する瓦屋根標準施工要領書については下記画像をクリックしてください。 詳細はこちら(一般社団法人全日本瓦工事業連盟) スーパートライ110施工要領書...
あとここで特記しなきゃいけないのが冒頭でも紹介していた『地震』のこと。
なぜ、台風に備えることが地震にも通ずるのか。
それは、屋根においては「地震力」が「風圧力」を上回ることが少ないから!!
棟ののしを高く積む、とか瓦を引っ掛ける桟木を使わない空葺き工法の場合には地震の力が風の力を上回るけど、のしを積まない、引っ掛け桟葺き工法ではほとんどの場合において地震の力が風の力より弱いです。
だから、『風(台風)』に備えることが『揺れ(地震)』に備えることになるの♪
ちなみにあえて、あえて、あえてね地震にも大丈夫!っていうことを証明する必要があるとするのならば・・・
「回転試験」というものを実施しています。(こちらもガイドラインに規定されているものです。)
実際に屋根を作り、グルングルンと回す試験です。(10回転、3回転/分)フィギュアスケーターよりも多く回ります。回り、回されたうえでほぼ現状復帰です。
以外と瓦屋根って試験でいろいろいじめられてるので、安心だよ、、、って感じです。
ただ、一昨年ガイドライン工法が法制化されたことにより、試験で安全が実証された固定がされるので、防災瓦であろうがなかろうが、さほど重要ではないかな?と思いますが・・・まぁ、非防災だと釘を多く打たなければいけないなど、職人さんの手間がどうしても増えるので、コスト的に見れば私は断然『防災瓦』推しです笑。
その点、鶴弥の瓦は全て防災瓦ですので、簡単に安心・安全を選べるかなと思います★
これから本格的な台風シーズンを迎えます。南海トラフ地震もくるくるといわれています。
だいたい営業さんが提案してくれるものに疑いもしないので新築建てる際には気にもしないかもしれませんが、防災は一生付きまとうものです。なのでチラッと目を通していただいて、我が家は防災瓦かな?全数緊結かな?と気に留めておいていただければ安心かなと思います。
最後に・・・
お役立ち情報
鶴弥ホームページでは耐風検討書を簡単に作成いただけるエクセルシートをご用意しています。
今後4号特例の縮小も予定されていますので、屋根の構造計算、屋根ふき材検討書でお困りの際はぜひご利用ください。
長くなってしまいましたが、今日はここまで!
では、また次回お会いしましょう★